叶えた夢は、刺とガラスの基地 満たされぬほど、増える 増える 鬼さんこちら、手のなる方へ 踵(かかと)ならせば 消える 消える 触れた指先も もつれた素足も このままとけて しまわないかなあ 夜が開けたよ お別れの日だよ ああ。まだなのに 「いいね、これでさよならでも」 「いいえ、それでは、きっと 思い出すことさえできず 無くしてしまいそう」 このまま夜とはぐれた 肩を抱いて、響かせ、想いを告げては そっと瞳を閉じて 明日のことなど、忘れてしまう。 それではこのまま 抱き合えたほうが 貴方のためだと、笑う 笑う それでは。そう少し 手をはなしてみよう 僕らのためだと、 思ってるんだけど。 見慣れた景色も 見飽きた灯りも 変わらない証 消える 消える これからはずっと それなりの日に さあ、おしまいだ 「いいね、それではさよならだ。」 「いいえ、これでは、きっと 名前さえ、忘れてしまいそう。 それは、悲しいこと、ね。」 それから夜にまぎれた 肩を寄せて、目とふせ、想いに暮れては そっと窓を開けるとき 今日の日のことなど、忘れている! もうじき夜には別れて 肩を寄せて、響かせ、想いを告げるよ そして瞳を閉じて 明日のことなど 忘れてしまう。