[offset:500] [00:00.00]中島みゆき - 傾斜 [00:25.46]傾斜10度の坂道を [00:28.64]腰の曲がった老婆が [00:31.59]少しずつのぼってゆく [00:37.48]紫色の風呂敷包みは [00:41.87]また少しまた少し 重くなったようだ [00:47.21] [00:49.95]彼女の自慢だった足は [00:53.50]うすい草履の上で 横すべり横すべり [01:02.28]のぼれども のぼれども [01:04.80]どこへも着きはしない [01:07.57]そんな気がしてくるようだ [01:12.29] [01:14.51]冬から春へと坂を降り [01:18.34]夏から夜へと坂を降り [01:22.43]愛から冬へと人づたい [01:26.55]のぼりの傾斜は けわしくなるばかり [01:33.56] [01:35.50]としをとるのはステキなことです [01:39.51]そうじゃないですか [01:43.26]忘れっぽいのはステキなことです [01:47.39]そうじゃないですか [01:51.46]悲しい記憶の数ばかり [01:55.51]飽和の量より増えたなら [01:59.60]忘れるよりほかないじゃありませんか [02:05.94] [02:20.46]息が苦しいのは きっと彼女が [02:24.70]出がけにしめた帯がきつすぎたのだろう [02:32.73]息子が彼女に邪険にするのは [02:37.17]きっと彼女が女房に似ているからだろう [02:45.09]あの子にどれだけやさしくしたかと [02:49.20]思い出すほど あの子は他人でもない [02:57.52]みせつけがましいと言われて [03:01.22]抜きすぎた白髪の残りはあと少し [03:07.99] [03:09.71]誰かの娘が坂を降り [03:13.70]誰かの女が坂を降り [03:17.82]愛から夜へと人づたい [03:21.92]のぼりの傾斜は けわしくなるばかり [03:28.83] [03:30.79]としをとるのはステキなことです [03:34.80]そうじゃないですか [03:38.56]忘れっぽいのはステキなことです [03:42.76]そうじゃないですか [03:46.80]悲しい記憶の数ばかり [03:50.77]飽和の量より増えたなら [03:54.86]忘れるよりほかないじゃありませんか [04:01.73] [04:23.88]冬から春へと坂を降り [04:27.78]夏から夜へと坂を降り [04:31.85]愛から冬へと人づたい [04:35.99]のぼりの傾斜は けわしくなるばかり [04:42.60] [04:44.95]としをとるのはステキなことです [04:48.94]そうじゃないですか [04:52.68]忘れっぽいのはステキなことです [04:57.16]そうじゃないですか [05:00.99]悲しい記憶の数ばかり [05:04.92]飽和の量より増えたなら [05:09.03]忘れるよりほかないじゃありませんか