35℃ 冷たい手を 握りしめ 駆け出した 夏の影 振り返ることもなく 蜃気楼 背に 憶えたての歌 繰り返し くちずさみ なにも考えず 日々は ただ過ぎてゆく かざした左手 残ったしびれだけが あの日の記憶を 思い起こさせる 35℃ 冷たい手を 握りしめ 確かめた 夏の影 振り返ることもなく 蜃気楼 背に 長い信号待ち 向こう側に手を振るよ 空がキラキラと まぶしくて目を閉じた 小さな鳥たちが 飛び立つ音を聴いた この夢のなかに ずっとはいられない 35℃ 冷たい手を 握りしめ 確かめた どうしても 伝えたいこと あるのにな うまく言えないや きみはいつかきっと幸せになるんだろう 息もできないほど きみのことを好きだった 長い信号待ち 向こう側に手を振るよ 空がキラキラと まぶしくて目を閉じた 涙 涙