ヒタヒタヒタ 素足で歩くのは 身勝手な自意識 ポタポタ 僕を濡らすのは 流れ落ちた自意識 大それた野望も こぼれ落ちたプライドも 根拠のない確信も すべてが幻 小さなスプーンから落とされた 汚れた波紋で 取り返しもつかない程に 黒く染まるのを恐れた 別に白くもないくせに フラフラフラ よろけて歩くのは 色眼鏡の価値観 ポロポロ 溢れてしまうのは 打算のない価値観 蛇口は錆びついて 赤黒く色を変えた 出てこなくなったのは 濁ってしまったから? 大きな器に置き去りの 汚れた異物は 今にも溶け出し消えそうな 薄く曖昧な色で 靜かに佇んでいた 「他人に良く見られたい」 「外れ者になりたくない」 「馬鹿にされるのはごめんだ」 全部が僕の裏返し 小さなスプーンから落とされた 汚れた波紋で 取り返しもつかない程に 黒く染まるのを恐れた 別に白くもないくせに 別に強くもないくせに どこにもない「自分」装った