作词 : 光ノ巣 編曲:光ノ巣 そこにいるのは 人の形をした何か 管に絡まれ 曖昧な輪郭を保つ 不気味に震える唇 軋む器官 鈍く揺蕩う瞳は 上手に踊れない そんなあなたは誰 溜める水巻き付く管に 心臓を捕まえ 自分の意志では機能しない そんな体 ともに過ごした日々の 面影もなく ここは命の工場だ さあ酸素を運べ 遠ざかる意識を繋ぎ合わせろ 確かに燃える命の火が 消えてしまわぬように もっと巻を増やせ増やせ ここにいるのは 人の形をした何か 夢と現の 曖昧な境を彷徨う ぎこちなく傾く首 色のない顔 意味なく深める笑みが 見る優しい夢 泣けぬ喉が鳴く悲鳴 増える巻が人格を交わし 灯火を燃やせ 何のために燃えているのかも わからない この部屋には生という 概念はなくて まるで肉体を飛べ出た 生身のポンプ 生を望まなくても 生かしてくれるんだ 泣けぬ喉が 泣かぬ喉になるまで この部屋で寝ている君は もう人ではなく ただ悲鳴を上げ続ける 心臓 その悲鳴は助けを乞う 叫びかあるいは いっそ殺してほしいと泣く 叫びなのか 慰めるかのように 薬を注ぎ 抱きしめるかのように チューブは全身を這う この巻があれば 火は消えないから この管があれば ポンプは動くから