凍(い)てつく大地(だいち)と 色(いろ)づくリャビィーヌシュカ 啄(ついば)む鳥(とり)たちの 黒(くろ)い睛(ひとみ) 枝影(えだかげ)映(うつ)して 靡(たなび)く長(なが)き水脈(みお) 浸(ひた)した指先(ゆびさき)は 脆(もろ)く凍(こお)る わずかな痛(いた)み この胸(むね)に刻(きざ)んで 真冬(まふゆ)を統(す)べる者(もの)に 祈(いの)り捧(ささ)ぐ 降(お)りたつ風花(かざはな) 幽(かそ)けきひとひらよ わたしのこの魂(こころ)を 何処(どこ)へ攫(さら)う 天(てん)から地(ち)へと降(ふ)り注(そそ)ぐ 白(しろ)い羽(はね)よ 地上(ちじょう)から空(そら)へと翔(か)け舞(ま)い昇(のぼ)る 儚(はかな)き祝詞(うた)よ 凍野(いての)に咲(さ)き初(そ)む 名(な)もなき紅(あか)い花(はな) 孤独(こどく)に死(し)せる身(み)を 嘆(なげ)きもせず 慈悲(じひ)なき主(あるじ)に 額(ぬか)づき 口吻(くちづ)けを 霧氷(むひょう)の黒(くろ)き腕(うで)は “凍(こお)れる土(つち)は” 冬(ふゆ)の柩(ひつぎ) 天(てん)から地(ち)へと 降(ふ)り注(そそ)ぐ 鐘(かね)の音(おと)よ 地上(ちじょう)から空(そら)へと 翔(か)け舞(ま)い昇(のぼ)る 光(ひかり) 遠(とお)い春(はる)を待(ま)ち望(のぞ)む 深(ふか)き夢(ゆめ)よ 睛(ひとみ)を閉(と)じて また巡(めぐ)り来(く)る 目醒(めざ)めの日(ひ)まで