もしもココロが 臓器(ぞうき)みたいに この肉体(にくたい)から 取り出せるなら あなたに渡すのに わたしが独り老いても それは何も知らぬまま 氷のガラスの中で 煙りもせず泳(およ)いでいる 脚を開けぬ 人魚(にんきょ)のように そうして守りたい たった一度の想いなの もしも背骨ぼね)が 突き破るように トゲ生やして伸び 肌(はだ)覆うなら わたしはわかるのに おのれの祈りの痛み 叫ぶこともしたでしょう 恐れの切尖(きっさき)に触れ 流すことが赦されたら 清らかな血で 生まれ変われた 抑(おさ)えた想いはもう 割れない卵で腐るの