作曲 : 志方あきこ 作词 : 志方あきこ ――籠の鳥ぞ 籠の鳥ぞ いつぞ 去(イ)ぬる 「龍の鳥」 ひとつ 獄(ヒトヤ)の 奥に ひとりきり ふたつ 感情(ココロ)に いくつも ふたをして みっつ 格子の外で 光る みかづき よっつ 夢に 現に よばれては をかし 神名火(カンナビ)の夜に 囚われて 隠されて 時さえ奪われても 折れた 翼を広げて 籠の鳥 啼かぬ鳥 どこまで足掻くか 鵺(ヌエ)の鳴く夜半に 数えるひふみ歌 いつつ 朱塗りの 鍵束 いまいずこ むっつ 誰に 祈れど むくわれぬ ななつ 諦め切れずと なげいては やっつ 生まれた 想いは やみの中 やがて 欠けゆく月が 消えるまで 閉じるまで ひたすら耳を塞ぎ 嗤(ワラ)え それでも止まぬは 流されて 堕ち行けと 囁くその声 ここのつ 伸ばした指先が 只々(タダタダ) こくうを 舞うばかり とおに 出口は虚(ウロ)の中 此岸(シガン)の 結(ムス)びも とおざかる をかし 神名火の夜に 囚われて 隠されて 心さえ奪われても 濡れた 羽根を震わせ 籠の鳥 泣けぬ鳥 いつまで足掻くか