湛えられた水が濁るのを 何もできないままで観ていた 放たれる光に飲まれ 空へ舞い上がる幾千の夢 傷痕を溶かす霰のように爆ぜる 連れていって 小さな躯ごと 赤い影が消える前に 美しい景色を縫い出す度 針はこの世に穴をあけるわ 繕うほど裂けてゆくのに 愛してるなんて 風に飛ぶほど 軽やかで薄い言葉が嬉しくて 何もかもが逆様の世界で あなただけを 信じていた 砂に積み上げた幾千の夢 傷痕を撫でる雨のように流れて 連れていって 小さな躯ごと 蒼い空に墜ちるように