世界は今日も晴天だった 青い海を知らない 春の温度が痛い30世紀の侯 今日だった 人はいつか人魚になって世界を巡るのだ それを信じない奴ばっかで嫌になる 奇病にかかった人類は死に怯えて息をする 苦い海水で肺を満たしていた また君の喉が白く見えた 理由もないような僕らの歌った 明日はカラッと死んだようだ 潜った海の深度 愛を願ったから いつか理由もないような僕らにも 今日を歩く理由が欲しくなった 眠ったままの君が泳いでいる 視界は今日も曇天だった 笑う顔を知らない 君の深呼吸音 海岸線の裏 人はいつか石に変わって 世界は止まるのだ それがこんな現代の終わり方だろう ただ水の中で泳ぐ君に そんな終わりを告げたくはないのだ 理由もないような僕らの歌った 明日はカラッと死んだようだ 潜った空に 再度愛を願ったのに いつか理由もないような僕らにも 今日を生きる理由が欲しくなった 笑ったままの君が泳いでいる その病の名前は「人魚病」 世紀の末に僕らに告げられた終わりの形さ 泡にもなれないまま 石のような体で浮かぶ君を見ている 理由もないような僕らの歌った 明日はカラッと死んだようだ 潜った海の深度 愛を願ったから いつか理由もないような僕らにも 今日を歩く理由が欲しくなった 笑ったままの君が泳いでいる