廻る季節の底に 深く沈めた最後の花 砂塵の中 埋もれゆく運命など 紅蓮の焔に攫われて ひとつ 指がよく似た横顔触れて 風受け揺れる金糸が 月夜に照らされて 一片 落ちる花びら 言の葉を綴りて 二人の旅路の 幕を開く 零れる雫とめどなく 止まない氷雨のように 囁くよう詩を紡ぎ 冷たい手を繋いだ 閉じられていた 瞳が開いて(閉じられていた瞳が開き) 涙に濡れた 貴方の頬を拭って(涙に濡れた 僕の頬を拭う) 私が流した涙の意味を 貴方は知らない(君の双色の瞳に溢れた涙の意味を僕は知らない) 儚く散れど燃ゆる花びら いと美しく 追うことかなわぬなら せめて最期の時まで 共に在ると 誓いを立てた小指が切れ 二人の旅路の 幕を閉じる 冷たい手から零れ落ちた 紅蓮に染まる花びら 終わりの季節 私を置き去りに沈んで逝く 冷たい手に気付かぬまま 長く暗い夜が明ける 出逢った季節 君を置き去りに永久の眠りを 零れる雫とめどなく 止まない氷雨のように 冷たい手に想いを込め 強く 詩を紡いだ 叶わぬ夢を…