海の見えるこの街にて暫し翼を休める 冴えた群青 眼に飛び込んでは目眩に似た眩しさを催す 雛みたいな子どもが興味を連れてこちらを伺う 冷めた濃紺 近づくなと厳しい顔をして後退促した [ほら ラガッツァ・カリーナ 混じりけのない瞳で見てくるなよ ラガッツァ・カリーナ 魚は水面を翔ける 今は昔沈んだ蒸気船の汽笛が響起 ほら、遠く遠く遠く 海の見えるこの街にて千切れ雲は空泳ぐ 映えた薄紅 逸らせば負けの世界で生きてるので眼は逸らさぬ ほんの1秒足らずの出来事が100年にも感じる 欠けた鴇色 繕うにはもう時間も力もないと解ってた [おいで ラガッツァ・カリーナ 夢の中で化けて出てくるなよ ラガッツァ・カリーナ 魚は虚空を仰ぐ 呼ばれ振り向くことなく砂の上を走り出す ほら、遠く遠く遠く ラガッツァ・カリーナ 喰わなかったが嫌いじゃなかった ラガッツァ・カリーナ 跡もなく飛び立つ 姿が追いつかず青空の中に消えてしまうまで ほら、遠く遠く遠く ああ、遠く遠く遠く もう、見えなくなった