雪解け 卯花咲き月はやがて浅緋に 春告鳥 慶び歌う 希望の季節よ 手つなぎ 踊る童は 艶やか衣纏いて あの子 この子 競い奏でる 祭り囃子が響いたら 零れる月明かり 「灯かり橙る花の宵」 橹に光溢るる 「きみの笑顔 輝く春」 素晴らしき夜の帳が下りる 飲めや 食めや いざ今宵は踊りゃんせ 夜明けまで! 桜 桜 浅緋空ときみのこと想えば 巡る 巡る 恐ろしき夢は 音に溶けてく 踊れ 踊れ 陽気な囃子に 身を任せど私は あの夜 結びし願いを 胸に秘めたまま 雨風 渗む朧月 甘い記憶の欠片 想い合えど 未だ叶わぬ 悲し恋模様 おぞましき運命は終 消え 「時は流れやがて消ゆ」 幸せな日が続くよう 「悲し記憶は星となり」 この場所でずっと見守っているよ 春の宵いに酔え 星望む笹に虎 夜明けまで! 「さくら、さくら」 愁いの夜はきみに身を預けて いつか叶う そう信じてるの 想いは消えない 笑え 笑え 悲しき顔は 祭りにゃ似合わない! 極楽夢のような夜に舞う春の雪 東雲 開く空 宴たけなわ じき春も逝く 「ひとつ」 「ふたつ」 「みつつ」 落つ花びら 声を重ね願うきみに届くまで 海越え 星越え どこまでも さくら さくら 浅緋空は 天色へと移ろい 巡る 巡る 生のざわめきが 行く先描く さくら さくら 幾歳経てど 変わらぬものがある きみを焦がれし恋心と 愛し故郷 美し桜 终わり