[00:18.89]あの日交わした [00:21.83]ふたりの契り [00:24.79]その心のうちには残っていますか [00:31.05]思い出すのです [00:33.76]あなたの御姿 [00:36.75]齢みっつ半とて [00:39.86]忘れられず [00:42.69]作りし鎖などは [00:45.48]桜はたやすく壊すのです [00:48.60]この見えない壁に阻まれて [00:51.58]ふたりずっと同じ月を [00:54.48]見てるはずだけれど届かず [00:57.46]あなたのことを護ります [01:00.41]あなたが桜の木なのならば [01:03.71]一輪の花にすぎないが [01:06.79]幹を守りきり散ります [01:09.43]あなたのもとにいたいのです [01:12.23]あなたが桜の花なのならば [01:15.62]その身梢に結び付けて [01:18.13]散らせるわけには参りません [01:21.14]行かねばならぬ戦があります [01:27.08]桜は穢れた土では育たぬでしょう [01:33.02]血や悲しみで穢れは拭えるでしょうか [01:38.98]どんな大地にでも根張って見せます [01:44.96]深紅の海の中に美しく立つ木ありましょうか [01:50.78]蕾み食う虫は払わねば [01:53.77]あなた想い言葉紡ぎ [01:56.68]伝え届けてなお [01:58.84]わからず [01:59.68]数多の花弁を携えて [02:02.58]あなたが折れれば花皆散る [02:06.00]それに比べて私などは [02:08.57]花の一片に過ぎない [02:11.50]どうしても行くというのなら [02:14.46]私も共について行きます [02:17.83]離れた花は散りゆくのみ [02:20.44]ならば離れずに行きます [02:25.17]約束守る前にいかないで [02:47.47]あなたをおいかけず [02:50.04]ここにいるべきではないのでしょう [02:52.97]都で待っていてください [02:55.97]どうか 桜 どうか この身 [02:58.91]あの方と一緒に 守って [03:03.42]お許しください お姫様 [03:06.32]これが最後の言葉となれど [03:09.70]あなたのご恩忘れません [03:12.20]お返しに散って参りましょう [03:15.18]雨が降れば桜の花 [03:18.22]大地に落ちて腐り果てます [03:21.54]花がなければ桜はただ [03:24.11]枯れ行くのみしかないのです [03:27.13]冷たく止まぬ雨の夜に [03:30.06]突然迫る鉄の刃が [03:33.38]白く小さき身貫いて [03:35.94]我が目の前にて潰えた [03:38.99]「約束守れずごめんなさい」 [03:41.90]震えるかすかな声だけれど [03:45.24]あなたの耳に届きますか [03:47.83]「桜絢爛に咲かせて」