堕ちたというなら生まれ落ちた そのときから 白いウサギはそうね 憶えてないけど きっと 美味しいんじゃないかな 生意気にひとの言葉なんて操ってるもんだから まあ 私も似たようなもんか 魔法のクリスも 不思議なケーキも貫えず 絞ったばかりの紅いジュースを 可笑しな身体は 部屋中膨らみ続ける それでも いない子と同じ 消えたって笑っていたいなんてさ お気楽よね 赤ん坊の皮を被った獣は きっとそう 私だったのね 不機嫌なお茶会はいかが? 二度とその口が聞けないようにしてあげる 可愛い手駒で楽しい遊戲始めましょ ルールなんてもの 私次第よ 気付けばドレスは 紅いハートの染みがついて 今さら 戻れない 紅い私が 蒼い私の細い首を へし折るその瞬間 目を覚ます 呆れたように私を見下ろすお姉様 開きかけた口を紡いだ 歪んだ鍵穴 夢だったの? いいえあれは 現実のお話