月は刻々と満ちていく 翳り 溢れ 生れし情念 沸々と滾り やがて形を成し 現われたるは鵺の如く ...... 夜は深々と更けていく 午前零時の鐘は鳴り もはや物謂わぬそれは 塒を巻いて 見つめていた 私は私に為り 私になった 貴方は私に生り 私になるでしょう 同一であり 同色であることを 望む 故に 黒い舌で その言葉を吐き続けている 繋がり 重ねた 名残も 連ねた 結いし 憧れも 綺麗な 緋色に 梳けていく 記憶と共に 枯れて 絡み合い 螺旋を描く 遠ざかる 影を追い 嗚呼 茜射す 深き 憂いに 紅く 紅く 咲いて 故に 零れて 色亡き 虚ろへ あの日から いつまでも忘れぬ 睡り 落ちて さよなら 堅牢な殻を破り 這いいずる 餓えた子等は 皆 赤い眼をしている やがて止め処なく溢れる 欲望のままに 御前を飲み干してしまうだろう 血の一滴も残さず なにもかも全て ...... 嗚呼 過ぎ去る景色と 想いは風に攫われていく 壊れた 夢に咲く 尊き日々よ ...... 決して忘れぬよう 深く 深く 焼き付けた 夢終わり 仮初めの明日を見ゆ ...... 浮かぶ 私は 月に流れてく 独り 朽ち行く 運命と 謡うなら 黒く 黒く 塗り潰されて 永久に 揺れる 灯火に焼かれながら 沈む 私は 月に流れつく 二人 果て行く 呪いを 嘆くなら 白く 白く 塗り潰されて いずれ 交じる 天命を抱きながら ....... 繋がり 重ねた 名残も 連ねた 結いし 憧れも 綺麗な 緋色に 梳けていく 記憶と共に 枯れて 絡み合い 螺旋を描く 遠ざかる 影を追い 嗚呼 茜射す 深き 憂いに 碧く 碧く 歪む 影に 溺れて 情めく 現に あの日から いつまでも変わらぬ 二人 堕ちて さよならを