白いピアノの上に置いた 名もない詩人の詩集 少し開けた窓から秋風が いたずらにめくっている 何を見ても涙ぐむ やりきれない時間 あなたに逢えた日の あの青い空をなつかしむように 好きと書いたびんせんを折っては 飛行機にして飛ばしてる あなたがここに居てくれたなら 痛がる程に 抱きしめて離さないのに 好きよ好きよ好きなの 頬に涙ひとすじ残って かわきそうもない夜は あなたの声を少し思い出し そのまま眠りたい 窓の外で揺れてる薄紅のコスモスの花のように あなたの言葉ひとつでそれきり 折れてしまいそう あなたがここに居てくれたなら 痛がる程に 抱きしめて離さないのに 好きよ好きよ好きなの 星がきれいに輝き 眠れそうもない夜は あなたのくせを少し真似して 鏡の中で笑う