作曲 : 後藤正文 作词 : 後藤正文 閉店間際 カフェの隅で 草臥れた老紳士に ウェイトレスが冷めた 夕闇を欠けた グラスにサーヴして ハロー闇夜 やさしい闇よ ゆらゆらと滲むランプよ 温かみも 不確かさも灯して今 出会った喜びも 失くした悲しみも 刻んだ肌 明かりが照らす 鮮やかな面影も 抱き合った遠い日々も 月日が流して しまうのだろう さようならは言えなくても もう二度と会えなくても 闇がそっと辺りを包んだ 終電が滑り込む 夜の切れ端を 拾った少年に ウェイターが 燃え上がる朝を 新しいカップに サーヴして アデュー闇夜 やさしい闇よ あと数分で昇る朝陽よ 胸騒ぎも貧しさも 照らしてほら 足取りが重くても 荷物は軽いだろう 旅路はこれからさほら 彼がいつか老い果てても 息絶えてしまっても 君は構わず進むんだよ さようなら今日という日よ もう二度と会えなくても 朝陽がそっと辺りを包んだ そっと辺りを包んだ 魔法のように 潰えてしまうのだろう 想いも骨も皮膚も 出会った喜びも 失くした悲しみも 月日が流してしまったよ 鮮やかな面影も 抱き合った遠い日々も 月日が流した 空が少し白む頃 街の靄は晴れるだろう 旅路はこれからさほら 僕がいつか老い果てても 途絶えてしまっても 君は構わず進むんだよ さようなら愛しい君よ もう二度と会えなくても 朝陽がそっと 辺りを包んだ そっと辺りを包んだ