山のむこうに またたく灯 あなたの灯 帰っておいでと はるか遠く 優しく うつむいたわたしを 見守るように ああ もう雪が降る 肩に髪に はらはら この指先の 冷たさは 別れた 別れた あの日からの 哀しみか ひとつふたつと 数えて甘えた 稚ないあの頃 寒くはないかと 聞いてくれた 笑顔が 傷ついたわたしの 心に残る ああ もう雪が降る 街に屋根に はらはら 兄さんみたいな あの人に ふたたび ふたたび めぐり逢える こともなく ああ もう雪が降る 肩に髪に はらはら 消えそで消えない 灯を ふりむき ふりむき 白い夜道 ただひとり