[00:00.000]有刺鉄線 [00:02.930]Salyu [00:07.500]作詞:小林武史 [00:10.990]作曲:小林武史 [00:15.920]編曲:小林武史 [00:21.460] [00:26.730]空をいくつかに分かれさせている 高速道路の下で [00:35.300]壊れたビルや 壊れた車が 捨てられている景色が [00:43.480]無人の街を作っている [00:48.960] [00:52.570]多分立ち入りを禁じた看板 ひびが入って転がり [01:01.340]カラスにとっては 慣れてるだけで 欲しいものも無さそうで [01:09.370]そこで境界線を作っていたのは [01:15.360] [01:18.810]黒くさびれて ねじ曲がっている [01:26.920]ずっと忘れられている もの [01:31.770] [01:33.350]太陽の光浴びながら 有刺鉄線はそこにあった [01:42.340]淀んだ空気に揺れながら 私はボーダーのどちら側にいる [01:54.480]いるのかな [01:58.050] [02:07.160]遠ざけてたのは 置き去りにしてた 街や人々の過去で [02:15.490]私がしばらく 遠ざけたものも どこかに転がってそうで [02:23.370]ここが夢のスクラップ工場だったならいいのに [02:32.470] [02:41.480]そこで気づいた 有刺鉄線に まるで寄り添うように這っていた [02:50.120]緑の蔦のような命が ずっと這いつくばって 延びてた [02:59.260] [03:00.610]太陽の光浴びながら 有刺鉄線と 生きていた [03:09.770]淀んだ空気に揺れながら そこには意味などあるのかどうかさえ [03:20.640]関係がない [03:23.650] [03:40.570]隔てようとする力と 生き抜こうとする力と [03:49.020]まるで裏と表のようで 表と裏ではないもの [03:58.980] [04:00.690]太陽の光浴びながら 有刺鉄線はそこにある [04:09.020]私がずっと 遠ざけたものが 自分自身だと気づく [04:19.930]有刺鉄線がそこにあっても [04:24.360]多分そこには ボーダーはない [04:29.060]淀んだ空気が揺れている [04:33.030]そこには きっと 出口があるから [04:40.750] [04:47.440]わたしはそっと心の中の 有刺鉄線を切った