幻想と現実の狭間、ラグクーアへようこそ。 私は、人に『エクリス』と呼ばれるもの。 すべてを壊し、真実へ近づく者を死へと導く、女神アーティアの、五番目の意思です。 人に与えられた幸せとは、偽りの世界で真実を知らずに生きていけること。 本当に哀れなのは、枯れていく花ではなく、その花を哀れだと思うこと、そのものです。 ですから、これは誰も知らなくていい物語。 けれど、不幸にも『死の都市』へ迷い込んでしまった貴方が望むなら、ひととき『夢』を見せてあげましょう。 一人の少年が、エクリスの運命を受け入れるまでのお話をーー プロローグ~捻子巻く月 語:中惠光城