メガマソ - 展覧会のネリ·オリ 少女は振り向いて言うね。 あの絵は凡人には描けやしないって。 青年はおもねって言うね。 僕の才能はそんなにないのかもしれない。 絵画の中で自由な二人は、 いつ破られるともしれない永久の誓いを。 どれだけの絵の具の海に溺れようとも、 いつしかは戻るべきこの瞬間へ。 少女は振り向いて言うね。 あの絵は凡人には描けやしないって。 青年もそれを重々承知で、 毎日坂を下って二人で見たね。 絵画の中で自由な二人は、 いつ破られるともしれない永久の誓いを。 どれだけの絵の具の海に溺れようとも、 いつしかは戻るべきこの瞬間へ。 絵画の中で黄昏の時間、 いつ破られるともしれない紙質の危うさ。 どれだけの絵の具の畑でまどろめど、 いつしかは戻るべきこの瞬間へ。 おわり