月はおぼろ花麗(はなうるわ)し 春は霞か 桜は紅枝垂(べにしだれ) 暖簾(すだれ)越しに 鴨川(かわ)は流れ 祇園囃子(ぎおんはやし)に浮かれて 蝉時雨(せみしぐれ) 溜め息に訳など無いわ 未練など鳴呼… 悲しみを置き去りにして 慰めの言葉で殺(あや)めて<<6217,1451,0>れ イヤな事だらけの世の中で ひとり生きるのは辛いけど この町はずれの夕焼けが 濡れた頬を朱で真っ赤に染める 嵐山(やま)は粧(けわい) いろは紅葉 黄金(こがね)に揺れる 稲穂(いなほ)に秋茜(あきあかね) 心乱れ人恋しや 凍(い)てつく胸に 小雪が舞っている あてもなく さ迷いながら この世から 嗚呼…… 躊躇(ためら)いがよぎるその前に とびきりの笑顔で逝かせてくれ ある朝 目覚めたその場所は 君と結ばれた花見小路 憎たらしいほど惚れさせて いつか地獄の底で待っている 嘘ばかりつく女 それを真に受けた男 イヤな事だらけの世の中で 登る坂道は向かい風 あの懐かしい日の想い出が 酔えば身に染(し)む 涙ホロリ