《あめがふれば》 あまあしの ねいろが / でんしゃを かすめて / まどごしの せかいを / ななめに ぼかした / かぜに あおられて / やがて はばたいた / しずくは ひかりを / そこに とじこめた / ゆらぐ / みずたまりを そっと / のぞきこんでみる / かさをさしたまま / ながぐつで とびはねていた / おもかげが / あかりの ほうがくへ / ひろがった / てゅらら あめふり/ こころを あるけば/ そらは あたりを/ あわく かきだした/ かいさつの でぐち/ そばに たてかけられた/ だれかヘの ぬくもりが/ はずんだ/ がいとうの オレンジ / くもりぞらの した / とぎれとぎれの かげを / まちに のこした / どろに まみれてく / つまさきの もようは / かたちを くずして / じゃりに かえってゆく / ゆらぐ / みずたまりを そっと / のぞきこんでみる / かさをさしたまま / みなもに うつりこんだ / ぼくの すがおは / ずぶぬれの ひざをなでて / きえた / てゅらら あめふり/ こころを あるけば/ そらは あたりを/ あわく かきだした/ あまやどりの コンビニで/ とけいを みあげる/ ジュースを かって/ ぼくも かえろう/ コンクリートを つたう / ゆきかう ひとのながれ / ようやく おりたためた / かさを カバンにつめた / かけだして はしゃいだ / こどもたちの すがたは / むねポケットに たたんだ / ねがいを にじませてく / うすれた くもにかくれ / ゆうひが しずんでゆく / まちのあかりが そっと / そのいろを みおくった / みずたまりの はもんが / こがねいろに かがやく / あまぐもが とおくすぎて / ほしが またたきはじめた / しんげつの しろいかぜが / まるくまるく つつんだ / がいろじゅの えだがゆれて / しずくがおちる / つきあかり のびる / ひろばの かいだんに / しゃがんで ふと / ほどうを ながめた / ガードレールの / むかいに ならんだ あじさいの はなたちが/ ふりつづけた きょうに/ はしゃいで / とうめいに かがやいた/ てゅらら あめふり/ こころを あるけば/ そらは あたりを/ あわく かきだした/ まちの あかりが/ すこしずつ ねむりにつく/ つきのそばで ひとすじ/ ほしが よるをかざった/ そよかぜが/ こみちをなでて ぬけていく/ きらめいた/ よぞらへと ぬけていった/ ビルの すきまから/ とけいを みあげる/ ジュースを のんで/ ぼくも かえろう/