Ora, colorazione inizia Rammentare il mondo 墨染色の空の青さは ただ虚しいばかりで 紅掛花薄めて 瑠璃色を混ぜて そっと霞をかけて 紅碧にしましょう 赤白橡の蕾の彩も 退紅の花弁も愛おしいでしょう 紅柄色した私の裾も 素鼠色では引き難いでしょう 藍染茶の飾り紐をそっと引いて 二人指絡めるには寂しすぎるわ 鈍色した森の青さは ただ虚しいばかりで 若竹色で染めて 青丹を散らして 鶸萌黄を添えて 青々としましょう 黄橡の稲穂原も田畑の彩も 猩々緋染まる夕も愛おしいでしょう 赤々と燃える山の端も紺青の夜も 胡粉光る弓張月も愛おしいでしょう 紅柄色した私の裾も 素鼠色では引き難いでしょう 藍染茶の飾り紐をそっと引いて 二人指絡めるには寂しすぎるわ さぁ岩を水に溶いて 筆を執りましょう 彩のない世界では寂しすぎるわ 紅柄色した私の裾も 素鼠色では引き難いでしょう 深縹の飾り紐をそっと引いて 二人指絡めあわせ紫になる