暗い部屋の中でずっと上を見てた君は 君は僕に言うんだ。『ボクも見てみたいな、輝く青い空――』 『ねぇ、お話して 輝く青空のこと』 そうだね――今日は少し雲がかかり、日が零れて、暖かく振り注いでたよ。 君の知る空はこの狭い部屋の天井で 寂しげに笑う君は空が見たくて 哀しいくらい白い肌が僕に語りかける。 『広い青空が、見たいんだ』 編曲:柊P 『明日の天気は大雨になるって。嫌だなぁ……』 『雨の音が響くの、この部屋にさ』 『それがさ、ボクに言うの』 『―部屋の外に大きな空があるよ、見て御覧。ってさ――』 いつか父にねだって貰った母親の形見 青い鉱石を砕き水に溶かして 僕は君に空を見せたくて青く紙を塗った。 濡れた紙は少し、破けた。 重ねた色はやがて淡く光を揺らした。 濡らした紙はやがて境界線をぼかした。 蝋燭に照らされた暗い狭い部屋の中で 君はそのまま深い眠りに落ちた。 僕は君に空を見せたくて青く紙を塗った。 君は僕を見て、微笑んだ。 君が見ていた青空はきっと誰が見てたより、 優しく僕らを包んでいたことだろう。 壁に飾られた額の中の僕の絵の裏に、 小さな文字で、