薄く濁っている 昏く守られている 胸がちぎれそうな 夢を見ている 一人起き上がって 空にひびを入れる 高く吸いこまれて 冷たい空気に震えている 土の雨に打たれたら 優しくなれるような気がする 誰も振り向かない 何も動いていない 塗りひろげた匂いを辿っても 同じ場所に戻るだけで 遠く断ち切られた 空間を越える手だてになる 土の雨に打たれ 繋がる気持ちを覚えている 空が割れた向こうに もうひとつの空が