[00:07.23](政宗) [00:13.52]幾戦幾万の花を散らし [00:21.18]赤い花弁もいつか 色褪せ土くれに変わる [00:29.35]鉛の種があなたの胸に咲かせた ひとひらだけは [00:37.41]朽ちることなく 独り眼を焼く [00:42.54] [00:42.98](輝宗=父) [00:44.14]後悔は時を蝕む毒 [00:47.79]前を見ていよ 誰が責めようと [00:53.01]お前の強さを誇りに思う [00:58.26]血よりも地を選んだ 王であれ [01:03.43] [01:04.03](政宗) [01:06.42]霧の中 立ちすくむ度に [01:10.40]大きな背が 道を示してくれた [01:18.56]見守ってくれていた [01:21.48]過ちも全て [01:25.02] [01:26.01](政宗) [01:35.33]幾戦幾万の 雨を降らす [01:43.10]赤い滴はいずれ 冷え固まりはがれ落ちる [01:51.28]お前を刺した鋼の刃を伝う ひと筋だけが [01:59.61]乾くことなく この手を濡らす [02:04.49] [02:04.89](小次郎=弟) [02:05.65]嘆きは光を遮る毒 [02:09.88]凍える指は 温めてあげる [02:14.85]あなたの矛盾を恨みはしない [02:20.15]だからどうか許して あなたを [02:24.93] [02:25.82](政宗) [02:28.76]幼き日 はぐれぬように引いた [02:32.84]小さな手の 熱を覚えている [02:40.25]離さなければよかった [02:43.54]迷い子はどちら [02:47.19] [02:47.99](義姫=母) [03:05.01]そなたは鏡 妾の写し身 [03:11.18]鬼の血が [03:13.17]そなたを 食らうまでは [03:17.32]欠けた鏡を 誰が覗こうか [03:22.10]何もかも 奪い尽くされる前に [03:29.66]この手で止めるが母の務め [03:36.99] [03:37.48](政宗) [03:43.85]幾戦幾万の 夜を隔て [03:51.86]愛しさなどはじめから かけらも持ち合わせぬと [04:00.12]あなたが向ける氷のごとき眼差し それこそが毒 [04:08.29]静かに積もり 胸を蝕む [04:13.46] [04:16.87]いつかいた父母と弟 [04:20.65]優しい日々 遠く彼方に去りあなたの憎しみだけが [04:31.50]我を殺す毒