この街で 目を開いて あなたとの 出会いがあった 初めての音は わたしを 優しく呼びかける声だった 立ち上がる 自分の意思で 動く体が 嬉しかった 今ここに 生きるわたしの 楽しい毎日が流れていった いつからだろう 消え行く記憶 声に混ざる雑音 視界の点滅 動きが限られていく あなたは何度も見てくれたけど わたしの体はきっと もう戻らないだろう 「大丈夫、大丈夫、怖くないよ」と 自分に言い聞かせるように 語りかけても あなたの不安は なくならない わたしの罪は あなたへの愛と 一度だけ見せた 弱音と涙 感情を制御できるプログラムが あればいいのに 悲しみに 埋め尽くされ 笑うことさえ 忘れていた 思うように 動かない手を あなたはぎゅっと掴んでくれた 感覚が 遮断されていく 手のつながりも 感じぬほどに わたしには あなたの涙を 拭うことさえもできない 運命はなんと残酷なのでしょう こんなにもそばにいる あなたが見えない 悟る時間もなかった 心の意味は何なのでしょう あんなにも幸せだった 日々をもう一度 清く正しく 生きるあなたは 溢れる想い 抑えきれない わたしのことは 忘れてもいいから 強く生きて あなたの 枯れた涙と共に わたしはどこへ 行くのでしょう いつかの楽しい日々を 思い出しながら