嗚呼 消えて逝く 俯く花の願いの束を 一つずつ数えては 合わせ鏡の外の世界を 抱きしめて そう 言葉では伝えきれないそのメロディーと 晴れてゆく朝靄が 夢から覚めた瞬きの今 揺れている 君の小さなその両手が掴んだ物語が 幻と今を繋げる 夢の中でしか会えないもう一人の私へ そんな君が世界を愛せるよう祈るよ 「ねぇ その眼には何が映るの?」返らぬ問いに俯いて 立ち尽くす 見えざる壁を越えられず ただそこで 合わせ鏡の中 錆び付いた扉に 手が届くその二秒前 空が割れた 君が瞼の向こう側で見つけた物語は 幻なんかじゃないから 夢の終わる音を合図にまた彷徨い始める 掌から溢れたこの箱庭の中で 君がその答えを求めて立ち止まるとするなら 私は目を覚まさぬまま 夢に閉ざされたこの場所でまだ彷徨い続ける 合わせ鏡の中でただ 永久に続くように思えたこの世界も何時かは 終わりを迎えるから その日まで祈るよ