[00:00.00] 作曲 : 魔女達の舞踏会 ~ magus [00:21.750]どうして [00:24.080]僕はこんなところを歩いているのだろう [00:32.690]答えは [00:34.670]もはや敢えて問い直すまでもない [00:42.860]ー僕は死に場所を探しているのだ [00:53.640]ここなら/ [00:55.940]谁も僕を見つけることなどないだろう [01:04.170]谁もが 恐れ忌避するという森の奥深く [01:14.740]ーなのに、どうして人がこんなところに [01:25.460]“あら、そこの‘迷い人’さん [01:30.540]どうしてこんな所にいらっしゃったのですか [01:41.050]帰り道を教えて差し上げますから [01:49.860]どうぞついてきて下さい [02:07.890]そうして 足を踏み入れたのは小さな [02:18.240]いたいけな少女をあの場所に置き去りには出来ない [02:28.820]ー傍で死ぬわけにもいかないだろう [02:39.470]“暖かい飲み物をお持ちしますと [02:47.040]彼女は告げ屋敷の奥へと [02:55.200]ふと聞こえた物音に [03:00.430]興味をそそられた僕は [03:05.790]こっそりと傍のドアを開いた [03:10.990]そうして、僕の目に、飛び込んだのは [03:16.950]ー毒を湛えた [03:19.600]ー蛇のような生き [03:22.230]ーひとりでに [03:25.670]ー呪わしげな [03:28.110]まるでこれでは、魔女の館じゃないか [03:35.990] [03:50.400]“気づくのが遅かったな [03:53.620]お前は踏み込んだのだ [03:56.920]邪恶な魔女の住処へと [04:00.450]愚かにものこのこと [04:17.190]気づけば背后には少女暗い光を缠い [04:23.600]こちらに向けるその笑みは恐るべき魔女のもの [04:30.450]その目は獲物を値踏みしているかの [04:37.160]僕は逃げようとしたものの [04:40.040]…体が動かない [04:44.080]“あー?足掻くだけ無駄だぞ [04:47.460]森に足を踏み入れる者の末路など [04:50.940]最初から決まりきっているのだから [04:57.570]“惨めな [04:59.140]野晒し髑髅、或いは骨すら残されずー [05:04.100]…何れにせよ [05:05.640]お前ごときでは [05:09.320]逃げられはしないのさ [05:10.600] [05:24.280]~ーそれでは。晩餐を始めるとしようか [05:30.890]~ーそぅら。食台にその見を献上しろ [05:37.820]~宴は盛大に行われるがいい [05:44.430]久方ぶりに食いでがある食材だ [05:50.990]~ー爪を剥いでやろうか [05:54.430]ー血を抜きさってやろうか [05:57.800]ー舌をもいでやろうか [06:01.050]ー目をくりぬいてやろうか [06:04.660]~自分の愚かさを呪えよ [06:09.670]いざ踊れ、踊り狂え [06:12.830]魔女は野蛮に嗤い猛る [06:16.110]この胸中には愚かな自分をただ責める [06:23.000]いざ歌え、歌い狂え [06:26.280]魔女は野蛮に嗤い猛る [06:29.790]“まだ死にたくない [06:32.300]などと情けない声が漏れ出でる [06:36.640]光の渦が [06:39.680]何かの魔法を解き放つ [06:42.970]その手にかかって僕は最期のときを迎えるのか [06:50.500]僕は目を閉じて [06:53.170]眼前の光景から眼を逸らす [06:56.490]“せめて、最期はどうか苦しまずに [07:01.050]と願いながら [07:06.200]“ーと、こういうことがあるかも知れないので [07:18.810]…もう、森には近寄るな [07:25.410]でないと、次はほんとに食われちまうぜ