水面の月を幾度とかき消した 細波 「偽物だから」と言わんばかりに 夜空の月を眺めてみたものの 結局 本物は私だけのものにならない どこにいても私は私だと 願い事のように唱えている 広い海を知るのが怖いのは 私があまりに小さすぎるから 船の上で 例え沈む時を待っても 沈むことすら出来ずに ただ揺られて どこにいても私は私だと 願い事のように唱えながら あなたの灯す光は遠く 声は届かない あなたの灯す光の前で 声は散っていった どこにいても私は私だと 願い事のように唱えながら 「ここにいる」と私は伝えたい 届くまでずっと 歌っている