ある朝 僕は一人ぼんやりと空を眺めていた 薄暗い空は朝日を迎えようとした ごめんなさい 僕は命を絶とうとしています 思い浮かべるのは父と母そして君の 大丈夫だよ あの空の向こうで誰かが待っているのですか あの空の向こうで誰かが泣いているのですか 五月十日(月曜日)午前四時半を過ぎた 時計の針は この部屋を重く冷たく刻んだ あと五分 もうすぐ もうすぐ 闇が明けるだろう あと あと 大丈夫だよ 移り変わる流れの中 取り残され 彷徨うだろう ただひとつの結末から逃げ出せずに 沉んだ 沉んだ 新しい朝が来た 「ありがとう、生きていてくれて。」