『天使の創造したこの場所に集うのは、死へと向かう欠落した少女達。 負の魂を月へと葬り、命の失われた精霊体に注ぎ込むことで再生を果たせると言われている教会。 時は満ちた。 愛する精霊姫が、再び微笑んでくれる日が――――』 狂、、、狂、、、 廻っていく雑音 泡沫 朽ちていく魂 怨嗟の声は 誰に向けてのものか 月か天使か? 「精霊姫との問に生まれた娘にも、寂しい思いをさせただろうか。 でも、これからは……」 降、、、降、、、 黒雪は羽根のように ひらひら 無数に舞い散り…… 怨嗟の唄は 誰に向けてのものか 愚かな我か? 『この瞬間のためだけに、優しい導き手を演じてきた。 半精霊である娘にまで手を汚させて……。もう、戻れない』 愛するが故 堕ちた欲望 幾重に纏う 深い原罪 渇望の果て 犯した行為 数え切れない 憐れな犠牲者 原型もなく 枯れゆく天人花 霧散していく 儚い理想 緋色に暗く 歪んだ悪意 月に飲まれた 微かな旋律 愛するが故 堕ちた欲望 幾重に纏う 深い原罪 渇望の果て 犯した行為 数え切れない 憐れな犠牲者 原型もなく 枯れゆく天人花 霧散していく 儚い理想 緋色に暗く 歪んだ悪意 月に飲まれた 微かな旋律 『少女達は緩やかに死んでいき、精霊姫は再びその体に魂を灯していた。 永く眠っていたとは思えないほどに、変わらない笑顔。 精霊姫は言葉もないままに、娘を強く抱きしめる。 涙をこぼしながら。優しく娘の首に手をかけ、止める間もなく、絞め殺していた……』 狂、、、狂、、、 崩壊の輪舞曲 全てを取り戻すために…… 「悪い夢はもう終わりましたか――――?」 『精霊姫に宿ったモノは本当の彼女などではなく、儚く散った少女達の失われた魂で……』 「だから、さようなら」 『娘の命を奪ったその手を見せ付けるようにして薄く笑い、そのまま舌を噛み切っていた。 できることは、ただ呆然と立ち尽くすことだけで……』 「天使は、優しくなんてなかった」