[00:13.500]「あらかじめ約束されていた最期の夜。 [00:16.810]イレギュラーなき旋律の開演。今宵、盤上の駒は揃った」 [00:21.480]「――――はじまりのおわり。おわりのはじまり」 [00:27.450]「もっと昂らせて……」 [00:31.640]風のない真遠の夜に 小さな進軍の灯が無音に輝き [00:45.160]全ての遍く事象に 根源が或るなら壊してみせよう [00:57.050]其々の宿願を胸に 小さな行軍の日は訪れる [01:09.980]そうは眠ることなきアイリーン [01:16.370]永い周期を待ち続けた反逆のレギオン [01:23.120]無慈悲なリフレイン [01:26.080]聞こえがいいばかりの言葉じゃ 運命など打破できない [01:32.620]勝ち取るんだ 今この手で―――― [01:40.110]射殺せ ヴェールに逃れた空隙を [01:46.720]滅びの詩は聞こえない 病葉舞う地を疾って [01:53.420]響け 怜悧な静寂を砕いて [01:59.540]誰一人として欠けることなく夜を抜けよう [02:06.280]祈りの羅列は終幕の序曲を、奏でていた―――― [02:26.260]「誰かを救うために、別の誰かの命を奪うことはできない」 [02:31.570]「うん。奪って赦されるのは、アイリーンの命だけ」 [02:36.140]「見張りの兵士も殺さず、武器を奪い無力化して縛りおいておくだけ。 [02:42.800]塔を駆け上り、どうにか囚われた仲間達の部屋に辿りつくも、 [02:48.550]その扉は魔力で固く閉ざされていて……」 [02:52.540]「……っ」 [02:53.550]「ちっ、そんなに簡単じゃあないな……」 [02:57.170]囚われの場所 そこに近づく程に [03:03.070]ルークとミリアに刻まれた刻印は [03:09.900]淡い熱を帯びて紅く輝きだした 帰還を歓待するように [03:22.590]射殺せ ヴェールに逃れた空隙を [03:29.230]滅びの詩は聞こえない 病葉舞う地を疾って [03:35.770]響け 怜悧な静寂を砕いて [03:42.210]誰一人として欠けることなく夜を抜けよう [03:48.600]月夜は悲劇が孵化する残響音 紡いでゆく [03:59.300](嘲笑うように) [04:01.490]いつしか神格化された幻想も 冒涜して―――― [04:14.850]「眠っている魔女を殺せば、魔法も解けてこの扉も開くよ。きっと」 [04:21.120]「ああ。やるしか、ないのか……」 [04:25.040]「塔の最上階。冷え切った部屋で椅子に腰掛けたまま眠る暴虐の魔女。 [04:31.980]湛える余裕はそのままに、寸分も揺らぐことなく……」 [04:37.600]「手を汚すのは俺だけでいい。子供は下がってろ」 [04:42.350]「ルクセインが押し切る形でその役を背負い、 [04:45.560]暗い部屋で眠る魔女にナイフを突き刺した。 [04:50.420]声もなく。音もなく。不死なる魔女といえど、 [04:55.690]絶命さぜるをえないほどに深く――――」