[00:24.52]『旅の詩人は、雲ひとつない晴天と波の立たない海原の狭間。 [00:29.909]まるで空に浮かんでいるように、静かに揺られて――――』 [00:35.965]一枚きりの写真 離さずに歩いてきた [00:46.641]旅の途中出会う人々に 誇るみたいに見せた [00:59.920]長い距離を隔てても 何年も会えなくても [01:10.601]嘘みたいでしょう? [01:17.906]写真の中で笑顔をこぼす家族を見ているだけで [01:23.223]強く在れる そんな気がしたんだ [01:29.54]今は遠い海路上 小さな船は [01:35.55]物語を求めて ゆっくりと進んだ [01:41.217]会えない間に成長しているだろう [01:47.133]子供達を想ってはにかんだ [02:03.642]抱えきれぬ程の プレゼントを持ち帰ろう [02:15.752]そして苦しいほど きつく抱き締めてやろう [02:26.243]守るモノがなかったら 力尽き倒れただろう [02:37.465]けど家族が苦労することなく 生活できるくらいに [02:51.03]充分な金銭を 稼ぐ必要があった [02:57.534]添えた手紙もちゃんと届いていればいいのだけれど 音沙汰はなく [03:14.563]顔が見たい ああ、声が聴きたい [03:21.226]聞かせたい詩がたくさん 溜まってるんだ [03:27.687]冒険譚や魔女の 切ない物語 [03:33.816]少しの休息は 許されるかな? [03:39.489]色褪せた写真に問う [04:06.373]今は遠い海路上 小さな船は [04:12.565]邂逅をah...求めて その方角を変えた [04:18.637]最初の一声は 何を伝えよう? [04:25.30]今夜はもう眠れそうにない [04:30.640]病気などせず優しい子に どうか育っていますように―――― [04:44.411]『詩人の背中を押すように、柔らかな風が吹き始めていた。 [04:49.775]コンパスになんて頼らなくても帰り付ける気さえしていて。 [04:55.596]愛する妻へと結ばれている赤い糸。 [05:00.97]そして血こそ繋がってはいないけれど、 [05:04.159]子供達と育んだ、血よりも濃い絆を目印に辿って。 [05:09.110]一時だって忘れたことのない大切な家族へ向けた、 [05:13.881]愛の詩を歌いながら――――』