燃え落ちる残骸を 放心するようにただ眺めていた 信じようとしていた事 何もかもが瞬く間に灰燼に帰す 小さな手に唯一繋ぎ残った光は 庇うように信じついてきてくれた彼だけ 飲み込まれる 夜に暗闇の底に 泡沫のように儚く消える幻想 生まれてくることも 死にゆくことも 必ず何かの意味があるんだ 少女が明日に持っていけるのは 思い出と光だけ 彼女から見えぬように 少年は顔歪め嘲笑っていた 虚構を剥ぎ取った姿は 男の霊との契約を履行する悪魔 亡き母に向けられた おぞましいあの呪いは 母親の全てを叩き壊すためのもので 手に入らないのなら壊したい、なんて 子供じみた我侭が生んだ幻覚 呪いの対象は "彼女の全て" 愛するクーデリカも含まれて──── 殺しはしない ただじっくりと暗闇へ突き落とす その悪魔は 自らを霊と騙り 少女の穢れなき心に入り込んだ 彼女は囚われていた 出口のない虚構の中に 「まだ終わらせはしない。これからもっともっと楽しくなるよ? キミが悪魔なわけはない。だって…… 悪魔は────オレの方なんだ」 飲み込まれる 夜に暗闇の底に 泡沫のように儚く消える幻想 生まれてくることも 死にゆくことも 必ず何かの意味があるんだ 玩具としての意味を与えられ ただVisionに埋もれゆく 繋ぐ光が 黒く光っていることにも気付かずに────