美しい景観など 今では見る影さえない 荒廃が人心に及ぶことを止める手段はなく 濃い霧は瞬く間に 鈍く視界を曇らせて 読み取るべき事実を覆い隠してしまった 行き場のない憎しみと不安の 矛先は全て 憐れな少女に向けられた 生きることが大罪なら 私そのものが無為で無意味で そんな悲しみがあっていいわけない もう上手に笑えない これまでを否定するようで 辛いけど笑顔じゃ乗り切れない現実もあると知った 火種になった事象は 前例のない死の病 「災いの元凶である悪霊凴きの、いや、悪魔の 息の根をとめることで負の連鎖も根絶できる」 その妄言に縋る程 人々は憔悴しきって... クーデリカを悪魔だと罵り 探す声達が 殺意を持って近づいた 「キミが悪魔なんかじゃないことはオレが知ってる。信じてる」 少年は竦む 少女へと囁く こらえていた涙が その言葉でもう溢れ出た 一人でも構わない 友達ができたことが嬉しくて 生きることが大罪なら 私そのものが無為で無意味で そんな悲しみがあっていいわけない もう上手に笑えない これまでを否定するようで 辛いけど笑顔じゃ乗り切れない 現実もあると知った