[00:00.300] 数え切れぬ程の夜を越えた 孤独の屍 [00:11.410] 終わらないアポリア──── [00:36.196] 何度目の嵐だろう [00:41.807] 窓を叩く雨音 響く雷鳴 [00:47.480] 部屋に映り込む 影<>はいつも一人きり [00:53.619] 心まで滲む雨粒 [00:59.147] そんなある夜に [01:04.610] 扉叩く誰かの声が聴こえた [01:10.391] 館の前には 一人の少年霊が諦観抱いた表情で佇んでいた [01:21.748] 少年霊の望みは 『人間らしい生活』 [01:27.291] "叶えてはくれないだろうか?" [01:32.456] 見えざる手に 導かれていくように [01:38.707] 少女は少年を受け入れて 微笑みあった [01:44.851] 再び始まった誰かがいる毎日 [01:50.505] 鏡に映る姿が 少女だけだとしても [02:03.095] どんな寂しさも誤魔化せた [02:10.195] 何度目の月夜だろう [02:16.154] 屈託のない 彼<<セス>>の笑顔が見たくて [02:21.702] 部屋に散らばった 本を読んで聞かせる度に [02:27.827] 胸に灯っていく温もり [02:33.436] けれどある夜に [02:38.880] のめり込むクーを心配した少女霊が [02:44.602] 耐え切れなくなり 二人の間を遮って躊躇いながら囁いた [02:55.989] “騙されては駄目。幻惑に惹がれないで [03:02.525] ────いつか帰って来れなくなるよ?” [03:06.672] 見えざる手に 強く背中を押されて [03:12.895] 少女さえ知らない激情に 駆られ叫んだ [03:19.144] "どうしてそんな酷いことを言えるの? [03:24.734] アナタに何が解るの……!?" [03:29.470] 抑えきれずに弾けた感情は [03:36.089] 無音にただ歯車を回して [04:04.569] 風の絶えた館にもう他の霊は来ない [04:10.387] 閉ざされたセカイに二人きりで [04:16.077] "もし彼に嫌われて、また独りになったら……?" [04:21.630] その先が酷く怖い... [04:29.576] 見えざる手に 絡めとられてくように [04:35.861] 少女は少年に依存して 囚われていった [04:41.939] 夢見た暖かな時間が続くように [04:47.481] このまま醒めることなく 眠り続けていたい