[00:00.00] [00:04.63]「嘗て権勢をふるった若き亡国の王は、 [00:07.97]力弱き民を従えて巨大な塔を建設していた。 [00:12.09]星に手が届く程の高さまでその威容が達した暁には、 [00:16.86]神に並ぶ立場で対話を果たしたいと願って――――」 [00:21.24] [00:22.05]犠牲の鍵と 凝結せし偽聖の顎門 神の領域踏み込んだ 不死なる亡国の王 [00:35.98]紅蓮に堕ちて 乖離する蒼の継承者 無式の意識 青嵐に身を委ねた [00:49.72]斬り刻め いつか眺め失ったその幻想を [00:56.63]乞われ壊れ奪った最愛の生命に 虚ろな意思を死を捧げるように [01:07.07]抗え蒼き異端者よ【heretic】 血に染まった運命に躍れ [01:14.10]交錯する永劫と虚無の 狭間に永遠に囚われて [01:21.05]従え紅き無秩序に【Chaotic】 戦火の果て粉塵に穢れた [01:28.14]はじまりの場所 呪われたこの地で天へと叫べ 狂気の継承者【successor】 [01:35.61]変わり果て朽ちた風景を背にして [01:45.76] [01:59.92]苦痛の仕儀と 悲痛な声音はまるで死人 [02:07.03]全能感の偽装飾【veil】は時を経て剥がされた [02:13.89]ルールとレーレ 幼き双子の殉教者 尊きその名を [02:23.04]あの聳え建つ塔【Babylon】に刻んで [02:27.95]本当に欲しいモノは 何一つ手に入らずに [02:34.82]ついに終に失意に蝕まれた王の 奇妙な暴走は矜持を捨てて [02:45.00]打て紅蓮を纏って 導火線に業火を燈して [02:52.17]名も知らぬ神の御許へ強く 撃ち抜け射抜け天へ向け [02:58.88]偽りを奏でよう 血の呪いをここで終えるために [03:06.25]はじまりの場所 蒼を失いし地で想い焦がせ 狂気の後継者【successor】 [03:12.56]「……さよなら」 終わりゆくこのセカイに [03:16.93]流れゆく血の涙に あの日壊した美しい永遠に―――― [03:41.42]まるで満たされない感情のまま どれだけ血を見ようと [03:48.61]不死の牢獄に光が指すことはないから [03:55.57]これほどに高く塔を創った 真実の理由は [04:02.48]愛する妹達のいる場所に辿り着くために―――― [04:10.86]撃て紅蓮を纏って 導火線に業火を燈して [04:18.11]名も知らぬ神の御許へ強く 撃ち抜け射抜け天へ向け [04:25.03]偽りを奏でよう 血の呪いをここで終えるために [04:31.95]はじまりの場所 蒼を失いし地で想い焦がせ 狂気の後継者【successor】 [04:39.32]変わり果て朽ちた風景を背にして ――――多分、ささやかな絶望を抱えて [04:56.13] [04:56.47]「塔が落成し、彼がその頂から天を見上げたその刹那、 [05:01.16]神の怒りが雷鳴に轟いた。 [05:03.94]巻き起こったのは、居合わせた者が“世界の終わりか”と [05:07.65]祈ることしかできぬほどの局地的な天変地異。 [05:11.76]塔は不敬を償うかのように崩壊し、 [05:15.04]不死であるはずの王は眩い光と共に消え去る――――」 [05:19.82]「ふふっ、この結末を望んでいたのね? でも、本当に死ねたのかなぁ……?」 [05:28.79] [05:30.00]終わり