『少年は悩み苦しんでいた。 自分が恋していたのは、今のカナリアなのか。 ――――あるいは、5年间の思い出を共有している ミリリという少女なのか。 姿形はもちろん见たこともない少女。 けれど口调や时折见せる表情は、 彼の知っているカナリアの面影そのもで』 「いいの。困らせるためにここまで来たわけじゃないよ?だから……」 「んんー、难しくてよく分からないけど、みんなで仲良くすればいいよ!」 深い苦悩が日常を侵食して 葛藤と拮抗に淀みなき轧轹 セオリー通りの解决策を揭示 lazy ただ雪解けを祈るだけ どちらか一方を取ることなんてできない どれだけ复雑な数式をさ、用いたって 解答は出ない 少年は塞ぎ込み不眠に陥る ガラクタさながら病みながら そんなドラマならいらない 自家撞着の果てには何もなくて それが最后の选択だっていうなら 分かたれた道を 选ばず繋ぐ新しいラインを描く これが最后の物语になるのなら エピローグはもう 正しく优しく奏でて欲しい 今伤だらけのクロスラインを 一つに结んでゆく 『少年が特别な意识なく接しているつもりでも、 眠りを必要としないカナリアと共有する时间が 増えてしまうのは自然なこと。 少しずつほんの少しずつ。 思い出を共にしているはずのミリリとは 距离を置くようになって……。 少女は绝望し、病みは暗を生みだす。 その小さな暗に、レジスタンスの一员である メイメイという不気味な女が付け込んだ』 「知ってる?カナリアが死んでしまえば、 あの场所にはあなたがいられるのよ?」 ひとつだけ――――迷いが生まれた时、少女は诱惑に负けないと誓う ふたつめの――――绝望を感じた时、少女は悬命に理性を留めた みっつめに――――二人が笑いあう度、少女はその罪なき存在を呪う よっつめの――――裏切りを目した时、少女は甘美な幻想に饮み込まれて 背中合わせの二人 「――――そこは、私の场所」 决壊する冲动にその手を染めた 悲しい嘘はもういらない 无価値な线は消してしまうから それが最后の选択だっていうなら 分かたれた道を 选ばず繋ぐ新しいラインを描く 今最后の物语がはじまった エピローグを さあ、悲剧の音色で奏でて 消えてしまったクロスラインを 一つに繋げずに 「ふぅ、ようやく寝たみたい。 最近お兄ちゃん、なかなか眠れないみたいで、心配……。 私も横で一绪に眠ってあげられたらいいのに」 「いいお薬を贳ってきたよ。これを饮んだら、あなたも眠れるようになるって!」 『それはメイメイから受け取ったモノ。 确かにカナリアでさえ眠りにつけるけれど、 体を缓やかな死が蚀む毒を含んだ薬。 カナリアは喜んでそれを口にし、少年に寄り添うようにして眠りにつく』 『けれど次の日から、少女は纯粋な优しさから、不眠に悩む少年にもその薬を分け与えてしまっていた。 ミリリの気付かぬうちに、目の届かないところで――――二人は共に死へと诱われる』 「そうじゃない。そうじゃないそうじゃないっ!!杀したいのは、アイツだけだったのにっ!」 『手を繋ぎ、仲良く眠るように背中合わせで横たわる二人の穏やかな表情をみて、少女は完全に暗に饮み込まれた……』