不思議なその関連性の 再構築は難しくて けどそうじゃない、元は関係ない 新しい二人を構築するんだ 「早くっ!こっちこっち!ほら、置いていっちゃうよー?」 『運命の日から半年が過ぎて、 どこかぎこちなかった二人の関係は、 恋人とまでは言えないまでも 少しずつその距離を縮め始めていた。 少女のその幼さは解消されなかったけれど、 今の二人にはそれがいいのだと、シグは笑って』 眠らない少女はその欠落埋めるみたいに 真昼も夜も好奇心を抑えることなく走る 「保護者役はキミだろう?」 からかわれるけど 満更でもない自分がいて 片時も離れず一緒にいたんだ いつか大人になって こんなセカイを変えて キミがそのままありのままの 笑顔でいれるように 隣にいれるように それだけは失くさないように ただ今は願う―――― 二人の間に吹いていた なだらかで平穏な風向きが変わる 駐留するオアシスに 見知らぬ少女が 息を切らし涙さえ浮かべて突然現れた どこか懐かしそうに人々を見回して シグの姿を見ると その胸に飛び込んだ 呼吸が止まる位 少女は泣いて泣いて泣いてまた泣いて 言葉にならない想いの 重さに立ってなんていられない 離れてなんて言えない 全身から伝わる熱に 不意に気圧されて奪われて 平常心取り戻した 彼女の口から語られ始める その事実は たどたどしく 重苦しく けれど鮮明に 魔法のように靄を消し払った 探して探して 少女はずっとずっとずっとあきらめず 守り続けた想いを 遂げてもう立ってなんていられない 離れてなんて言わせない 全身から伝える熱で 失った時を埋めてゆく 歌うみたいにほくそ笑む声 洩らす女は鴉を従えて 翻弄される 意のままに動く三人を見て小さく頷き 黒い羽 空に投げ飛ばした 『少女の口から告げられたのは、 俄かには信じられない突拍子もないことばかり。 けれど、彼女が涙ながらに語る少年との5年間の 思い出は紛れもなく、一片の偽りもなく真実で……』 「会いたかった……ずっとずっと、会いたかったようっ――」 「お兄ちゃん、この人は誰?お友達……?」 一度あきらめた歯車 それがなくても形変えて どうにか廻るようになった今 戻っても居場所はどこにあるだろう――――?