陽の光届かぬ 地下深くのさらに奥 花も風も星も 此処には無い それが当たり前で 美しさも愛しさも 知るはず無かった あなたに会うまで はじめからわかっていた 犯した過ちだけを 見えないふりしていた この手を伸ばした瞬間 あなたに触れられそうで 気づいた時は遅すぎた 消せない色と匂い 私がみな奪った 嫉妬という仮面を免罪符のように貼り付け 「それ以上近づかないで」 妬ましいと 情けないと 光を見ることでさえも 諦めたんだ 白紙の未来と過去の罪 自分からは 動けなくて どうせ傷つけるだけだと 総てから逃げたんだ はじめこそ恐れ抱き 鬼と呼ばれ誇った あなたを遠ざけていた 曲がらない勇気 それが 優しく強くあなたを そこに在り続けさせた 紛い物弱き心 共に在る資格などない なぜあなたと私はこんなにも違うのだろうか 「もう一度やり直せるなら」 もう届かない もう届かない 焼け付く痛み耐えられず 心を閉ざした 堕ちて尚も忌み嫌われ 己が罪と知りながらも この力も瞳も姿も どうか見ないで 『彼の花 真に望むは 況んや どうか偽りのない あなたの笑顔と共に在りたい 傍にいるから』 輝く星のように 駆け巡る風のように 愛しい声は深く 私に道標を灯した あなたの言葉一つが 私の中に種を撒き 少しだけ光が恋しく なってしまった 細胞の一つ一つに 白緑のつぼみをつけ 少しだけ前に進もうと 私は咲いた 妬ましいほど真っ直ぐな あなたを待つ この地底で 苦しいだけじゃないことを 教えてくれた いつか二人の躰が 動けなくなるその日まで どんなに微かな光も受け止めるから