東屋も御殿も友達が 寄ると触ると宴になる 一度十度と会合を重ね ついに我が身となり 笑声の空音 後ろ髪を引き 顧みる道に影は無く 蝉さめざめ時雨る申の刻 風噎び頬撫でる いずれの日にか つどいし時を 夢見る夜は未だ来ずとも 思えば遥か 春の雪 降らねば溶けもせず 人恋しさに夕げの箸を置き 鐘の遠鳴りに耳澄ます 百年千年歳月を積み ついに我のみとなり 凪の間に探す波紋は消えて 省みる先に道は無く 燐雲漂うさま口惜しいほど 嗚呼まほろばの日よ いずくの地にか つどいし友と 再会を願えばまた夢にし 思い及ばず 三日桜 咲かねば散りもせず 永久をはずりし今に在り 刹那に散るは定めなれども 今宵の縁は切れる事無し 散れども咲き誇れ