[ti:こい人しれず] [ar:たま] [al:LOVE≒Sick] [00:00.00] [00:35.39][00:53.75][01:06.66][01:19.55][01:45.55][01:58.00][02:11.32][02:37.93][02:50.71][03:03.55][03:29.23][03:41.99][03:55.38] [00:41.56]三つ折りにした手紙 [00:44.79]ふすま越し 背な合わせ [00:48.03]もう逢えぬやも知れぬ [00:51.03]せめて一目 [00:54.15]衣擦れの音 かすかな吐息 気怠さまじり [01:00.80]青い火の燃ゆるは過去の昔 [01:07.11]紅鮭の解した身のごとく朝はしごく軽やか [01:13.61]灯籠の佇まいのごとく [01:16.77]夜は密かに [01:19.95]逆さまの影と狐火の往く [01:26.38]賢しらの猿は金切り声 [01:32.75]びりりびりりと破られる音に [01:39.15]手遅れの気配が胸をしめる [01:45.85]控え目に抱き寄せた腕 一抓り 白い指 [01:54.86]今更よ 莫迦ね [01:58.37]薄い微笑みに隠れた意味を [02:04.76]見落としていた訳ではないけど [02:25.57]三つ叉の道の先うなる煙の都 [02:32.00]もう何もが違えば [02:34.96]此処は何処 [02:38.31]人波は早過ぎて横目に嘲りまじり [02:44.67]可哀そうに [02:46.46]あの御方 化かされたね [02:51.14]朝焼けの眩しさは いつでも あくびののち忘れて [02:57.56]夕焼けの怪しさは いつまでも [03:00.75]こびり付いたまま [03:03.95]路地裏の陰を黒猫が行く [03:10.39]傘売りの翁はささやき声 [03:16.75]ひらりひらりと舞う紙吹雪に [03:23.15]遅過ぎる涙が頬を伝う [03:29.58]知らぬ間に差し出した指 [03:35.99]一掴み 知らぬ腕 [03:38.82]あら 何方かしら [03:42.39]薄い微笑みの意味など既に [03:48.79]有耶無耶のままに霞んで消えた