岸から岸 繋ぐ渡し舟 六文の銭と引き換えの儀式 黄泉(こうせん)に遷り遠ざかる意識 流転する景色 値千金 ただ闇雲に斬り掛かるしか無い 見渡す限り霧かかる視界の中に 鳴り響く諸行無常 魍魎の匣は拒食症 輪廻転生する根無し草 夢見る蝶の記憶は泡沫(うたかた) 断片紡ぐ幼気(いたいけ)な仕種 躯が憶えている謡(うた)い方 永久に流れるこの音の中で奏でる言の葉枯れる事勿れ 神経を蝕む人生の苦 纏めて消し去る辞世の句 暗転から全反射 決別した現世と雪月花 哭(な)く霊魂(21グラム)此の場離れ心中 鎮具破具(ちぐはぐ)な言霊だけ 転がる髑髏(しゃれこうべ)を取り巻く執着の残り滓(かす)が織り成す 五線譜の上 鬼火が踊り出す 旋律を喉に刺す いつも通り泉の畔 水面に広がる波紋の様に まだ到底辿り着かない輪廻転生 情景想い浮かぶ騒霊 操と鬱迷い込み幻想が奏であげた星屑の伴奏 受難 刺激が不足な方向け 魂に乗せた言葉の餞(はなむけ) 彼岸過ぎ彷徨う月夜の亡霊 音が鳴る方へ 後ろの正面 浮世の光景に悲観主義が迷う 来世で張る次の予防線 反響する音放つ合わせ鏡 残響の余韻作る忘れ形見 片隅に一人 言葉書き殴り 巡る阿弥陀籤(あみだくじ)の中 神隠し 夢か現かを問う個の命 儚い人の夢 散りばめた光が跳ね返り 騒霊の宴を照らす 永久の音が溢れ出る世界に魂を捧げ 繋がり離れては繰り返し 騒霊の唄 手を伸ばす 呟いた 桜舞う世界に「どうかこのままで」 風前の灯 狐火の如く燃える蝋燭は命の鼓動 同刻 紐解く全て戯れ言 慟哭の声すらも他人事 音を貪る喧騒から詩を連想する魂込める演奏 三稜鏡(さんりょうきょう)を象る 夢の中辿る 抜け出せぬ譜面上 口から吐き出す言葉を読み解く力 足枷外し向かう黄泉の国から 事の弾み 切っ掛け 音色響かせ 昔に書いた歌詞は冥土の土産 左から右 また今しがた陽を浴び 静かに罅(ひび)割れた煌びやかな日々 忘れかけた欠片を集め重ね重ね 空高く翔けた願いを叶え給え 命の檻 何処にも往けないの 消えかけた祈りが生き返り 浮世を離れ奏で合う 何処までも続くこの世界に魂を捧げ 繋がり離れての往き帰り 月夜の中でまた出会う 振り向いた 音の無い世界に戻れないのは何故 散りばめた光が跳ね返り 騒霊の宴を照らす 永久の音が溢れ出る世界に魂を捧げ 繋がり離れては繰り返し 騒霊の唄 手を伸ばす 呟いた 桜舞う世界に「どうかこのままで」