街のざわめきから 遠く離れた本屋さん 少し気まぐれな バイトの大学生 本を並べ そこに僕は通りかかっただけ 同じように気まぐれにも 「何かいいことがあれば」 間抜けな顔して探していただけ 五年前誰かが 名前も忘れた誰かが すごくどうでもいい、どうでもいい、 話をしていたっけ それを僕は思い出しただけ  時を越えて 聞こえてきた 意味のないようなあの日が 今朝突然 繋がっただけ 何かいいことばかりが 待っているような気持ちになる 挟んだままの栞(しおり) 待ち遠しげに 黄ばんだのもまたいいさ 見えもしない 魔物を見たんだよ 目に映る 話もそらして 何かいいことばかりが 起こるような気持ちになる 意味のないような あの日を思い出せよ ではさよならまだ明日