嬉しがらせて 泣かせて消えた 憎いあの夜の 旅の風 思い出すさえ ざんざら真菰 鳴るなうつろな この胸に 所詮かなわぬ 縁の恋が なぜにこうまで 身を責める 呼んでみたとて はるかなあかり ぬれた水棹が 手に重い 利根で生まれて 十三、七つ 月よわたしも 同じ年 かわいそうなは みなし子同士 きょうももおまえと つなぐ舟