[00:03.28] [00:26.68] [00:27.18]お面被った子供 甘い飴を頂戴 [00:31.43]神輿(みこし)通った後に 泣く子はだあれ [00:35.88]街外れ村向こう 潮騒がドンヒャララ [00:40.23]祭囃子聞こえる 火花が爆ぜる [00:44.11] [00:53.29]あのヒトは金魚姫 赤い着物がよく似合う [00:57.71]若い身空を網で すくわれたのさ [01:01.98]ちんどん屋千鳥足 笛を吹くピーヒャララ [01:06.46]阿呆の振りしながら 世を練り歩く [01:10.32] [01:10.76]可愛いお嬢ちゃんや 洟(はな)垂れ坊主わりことし [01:15.15]ああお代はいらないよ 聞いていくといいぜ [01:19.59]手土産の代わりとは [01:21.67]まあ言っちゃなんだけどもな [01:23.87]悲恋の結末ってな 相場が決まってる [01:27.92] [01:28.28]よくある話 死にぞこないの [01:30.42]くたばりぞこないだらけだ [01:32.53]逃げた二人が 手を取り合って [01:34.89]叶わぬ慕情さ [01:36.72] [01:37.05]入水と聞いて 業突張(ごうつっぱ)りの [01:39.26]庄屋は泡を 吹き倒れ [01:41.33]一人助かる 娘気がふれ 金魚姫になる [01:45.40] [02:02.12] [02:03.19]うまい焼き物いかが 舌は二つに裂ける [02:07.58]ああ綺麗なかんざし あの子に似合う [02:11.80]上がる火花は散って 残るは白い煙 [02:16.19]カンカラ下駄が追うは 静寂の香(こう) [02:20.12] [02:29.17]やあ降ってきたようだ 空がしとしと泣いて [02:33.65]お天とサンが隠れ 雨の降る夜 [02:37.99]「男が傘をさして 娘を迎えに来る」 [02:42.43]誰が言い出したやら 愉快な噂 [02:46.31] [02:46.77]ひらりひらりと舞うのは 女尾ひれか胸びれか [02:51.11]吸い寄せられる虫は 火傷を負うだろう [02:55.35]道には黒猫達 声をそろえて嗤(わら)い出す [02:59.90]「やんややんや、娘は傷物なりしゃんせ」 [03:03.83] [03:21.56]そろそろ祭り 佳境にいり [03:26.00]灯篭流しに 馬鹿げ出す盆踊り [03:30.40]飲めや歌えや この現世(うつしよ) [03:34.76]とある蝶の夢 違わぬものか [03:38.91] [03:39.26]よくある話 死にぞこないの [03:41.31]くたばりぞこないだらけ [03:43.40]堕ちた二人が ただ好き合って 儚い慕情さ [03:47.51] [03:47.79]噂を聞いて 視線集まる [03:50.02]皆は指差し ひそめる [03:52.29]振袖ひらり 娘名前は 金魚姫という [03:56.18] [03:56.53]ぽつりぽつりと 小雨降る中 [03:58.79]誰かが娘 攫(さら)った [04:00.95]仲睦まじく 合い合い傘で 笑い合いながら [04:04.95] [04:05.32]消えた後には 彼岸の花と [04:07.54]甘い夕闇 残り香 [04:09.74]どこに隠れた いつぞ会おうや 金魚姫の夢 [04:14.33] [04:15.64]终わり [04:17.40]