泥の中あるいてる しずんでくからだ 灰色の視界 透明な膜がらんで 何処へもまぎれられず 夜に耳をすまして たしかな音探す 雨の中うごけれずに 緩やかな安堵 感じてる 足早に去る影を おいかけてつかむこともできなくて 蓋をしてすべてふさいだ しずかな 夜 見えない 花に埋もれ眠れば ぬれたこのてをかくせる 朝を待つ列をぬけだす かすめた鳥追いかけ とわにはれぬ朝靄 わたしは も う 戻れない